アドネットワークの動向

海外におけるアドネットワークの現状

アドネットワークはすでにUSでは300以上存在しています。USでのアドネットワークは今後も2010年まで30%成長を続け、検索広告(約25%成長)より高い成長をするといわれています。ホリゾンタルアドネットワーク(横断型アドネットワーク)とバーティカルアドネットワーク(垂直型アドネットワーク)に分類され、近年ターゲティング可能なバーチカルなアドネットワークも多く登場してきています。

ホリゾンタルアドネットワークでは、Yahoo,ValueClic,Platform-Aなど非常に大規模なアドネットワークが現存しております。

バーティカルアドネットワークでは、USにおいてはWORTHNET(Wall Street Journalなど)、quadrantONE(New York Timesなど)、フォーブスBusiness and Finance Blog Network(ブログ中心)などが代表的なアドネットワークとして登場してきています。

アドネットワークを利用する広告主の要望も、効率、リーチに加え、ターゲティングに強い関心を抱いてきております。技術的にも行動ターゲティングも導入され、一層利用されやすいサービスになってきているようです。

国内におけるアドネットワークの現状

海外の現状に比べ、国内のアドネットワークは、1997年にダブルクリック社、1998年にバリュークリック社(現トラストクリック:ソネットメディアネットワークス(株)運営)が日本法人設立しサービスが開始されました。それから10数年が経過し、米国ではオンライン広告配信形式の7割以上をアドネットワークが占める状況となっているのにも関わらず、日本国内におけるアドネットワーク市場の伸びは鈍く、大きな拡大には至っていません。

その最大の要因として、Yahoo JAPANという巨大メディアの独走状態が続いていることが考えられます。
アドネットワークが定着している米国では、ある程度複数のサイトに利用者が分散していますが、日本では、Yahoo!Japanに依然集中しているという状況があるのです。そのため、「複数のサイトを束ねたアドネットワークよりも、Yahoo! JAPAN1社に出稿したい」と考える広告主が現在も少なくありません。

この状況を打破するためには、 Yahoo! JAPANよりも大規模となるアドネットワークを構築したうえで、日本国内の広告主のニーズに対応し得るターゲティング技術の発展と多様な配信方式、配信フォーマットを組み合わせられる広告メニュー体系の構築が重要であると言えるでしょう。

そういった中ではありますが、日本でも米国の影響も受けて、大手を含めアドネットワークへのシフトが進んできております。
今後、技術革新・ユーザー動向の変化に伴い、アドネットワークの市場拡大とサービス拡大の需用が伸びが期待されています。

日本国内において、アドネットワークの需要が伸びてきている理由は?

  1. 広告主がウェブ広告に求める役割が増えたこと
    アフィリエイト、リスティングなど、一般的に費用対効果が高いとされる広告手法でのプロモーションにおける効果、獲得数の伸びがこれ以上期待されていなくなってきています。その理由として、リスティング広告の入札単価の上昇や検索エンジンからの顕在ユーザーの取り込みの限界などが考えられます。 アフィリエイトやリスティングなどは、ニーズが顕在化しているユーザーに対して効果的に働きかける事のできる広告媒体です。消費者が商品購入を検討する際の選択肢に自社商品を含ませるためには、ニーズが顕在化する前の段階での訴求を強化し、認知を促進する必要があります。その役割を果たすのに最適な広告媒体として、アドネットワークに対する需要が伸びてきているのです。
    アドネットワークのバナー広告(欧米ではディスプレイ広告と言われている)でポストインプレッション効果に代表される認知を高める広告の必要性を感じる広告主は増加傾向にあります。
  2. アドネットワーク参加サイトが増えたこと
    MSN、FOX、Yahoo! JAPAN、楽天など日本国内における大規模媒体が、続々とアドネットワークへの参画や参画表明をしています。また、垂直型アドネットワークのグラムなどの日本進出もあり、今後海外からのサービス・技術の導入も一層増加する傾向にあると思われます。これにより、 より魅力的な大規模広告媒体の提供が実現できつつあることも、日本国内におけるアドネットワークへの需要の伸びに対する理由のひとつであると言えるでしょう。
  3. アドネットワーク技術が発達したこと
    近年、行動ターゲテイング(※1)・リターゲティング(※2)・コンテンツマッチ(※3)などの新しい技術がサービス化され、その技術によるアドネットワークの効果検証が進み、一部の広告主でその効果が認知をされてきています。今後新しい技術を使ったサービス導入が進み効果検証が進んでくると一気に市場に認知される可能性を持ってきています。 また、広告メニュー体系に関しても多様化しており、配信形式(インプレッション保証型・クリック課金型・成果報酬型など)や、配信フォーマット(テキスト・バナー・動画など)を広告主がニーズに合わせて選択する事が可能になってきています。

※1:行動ターゲティングとは、ある特定の媒体を訪問したユーザーに対してクッキーを付与し、そのクッキー情報をもとに割り出した行動特性に応じて配信する広告をコントロールする手法です。

※2:リターゲティングとは、ある特定の媒体を訪問したユーザーに対してクッキーを付与し、そのクッキー情報を持つユーザーにのみ特定の広告を配信する手法です。

※3:コンテンツマッチとは、検索結果ではなく、ページのコンテンツ(該当ページのテーマやコミュニティなどに書き込まれたメッセージ、ニュース記事など)と広告主が出稿したい広告の内容が合致する場合に広告を表示するサービスです。

【参考資料】「ディスプレイ広告なしに検索はない」 - Specific Media の調査より

米Specific Mediaは2008年12月3日、ディスプレイ広告キャンペーンと消費者の検索行動に関する調査結果を発表し、ディスプレイ広告が検索行動を促すことが明らかになった。

Specific Mediaが顧客企業をcomScoreのデータで分析したところ、ディスプレイ広告に接触した消費者の検索行動は155%上昇しており、特に旅行・観光の分野では247%の検索の上昇が確認されたという。検索行動を誘発するディスプレイ広告なしにはSEOやSEMは役に立たないということだ。

この結果についてSpecific Media COOのChris Vanderhook氏は「ディスプレイ広告は検索行動やサイト訪問、エンゲージメントに大きく影響する」と説明する。eMarketerのシニアアナリスト・David Hallerman氏は「ディスプレイ広告と検索広告は関係する。消費者に行動を促すのは検索広告ではなく、マーケティング全体のコンテクストである」と指摘する。

米MicrosoftがAtlas SolutionsのEngagement Mappingを使って実施した2008年9月の調査では、ディスプレイ広告に接触した消費者は22%購入する割合が高いことが明らかになっており、顧客獲得のためには検索だけでは不十分、との見解を出している。

SEMリサーチ『すべてわかる、SEM - 検索エンジン業界ニュース』2008年12月17日の記事より引用
http://www.sem-r.com/08h1/20081217180430.html